お菓子の思い出

以前勤めていた会社は他の内勤の女性と仕事が重なっている部分が大変多く、自分単独で完了できる仕事があまりないので、コミュニケーションで失敗すると仕事をうまく回すことができず仕事でも失敗しやすいという職場でした。

で、部署におひとり大変気難しい女性がいらっしゃって、その人が部署の中心をとっていらっしゃったので、その人とうまくやっていくことが、お客さんから依頼された仕事をうまくまわし、職場で自分の居場所を確保することにつながるという感じになっていました。

そして、私はその女性が嫌いでした。離れて何年も何年もたって、ようやくはっきり当時の自分の気持ちを言葉に出して言えるようになりましたが、その人がとても嫌いでした。

しかし、当時はその人にモヤモヤした思いだけをずーっと持っていて、嫌だと思っても、「そんな風に思っちゃダメ!相手にもいいところはあるんだから仲良くしなくちゃダメ!仕事を離れたらいい人なのかもしれないし、むしろうまくできない私が悪いんだ」と自分に言い聞かせていました。
(この、「苦手な人ほど仲良くしなくちゃ!」病の始まりは、思い出せるのが小学校3,4年生ぐらいにまでさかのぼる話で、なかなかに歴史のある病なのですが、当時の私は自分の「仲良くしなくちゃ!」病を自覚しようとしていませんでした)

その女性との溝がはっきりし始めたころ、部署の内勤の女性の間(っていってもその当時部署にいた女性は私も含めて全員で3人だったのですが)で、朝コンビニで買ってきたお菓子をコーヒーと一緒に配るという習慣が流行るようになりました。(コーヒーは当番制みたいな感じで他の女性の分もまとめていれて配ってました)

「仲良くしなきゃ!」病の罹患者である私は、ここぞとばかり「仲良くしなきゃ!」とコンビニで分けられるお菓子を買っては朝他の女性に配りました。最寄りのコンビニはオフィスでお菓子をどう食べるのかをよくわかっているのか、小袋入りのお菓子をけっこうたくさん置いてくれていたので、お菓子の新商品の発売日(たしか水曜日だったと思う)にはお菓子の棚をチェックしてできるだけ珍しい感じのお菓子を買ってきて、朝、部署の女性に配って、反応をうかがっていました。そしてトラブってた女性からお菓子をもらったら、「ああ、大丈夫!仲間に入れてる!」とほっとしたりしてました。

で、あたりまえですが、そんなことでは関係は一ミリも改善しませんでした。

むしろ改善なんてしないことを自分でもはっきりわかっているのに、そんなみみっちい(と自分が思っている)ことでしか改善しようとすることができないという自己矛盾を抱え込み、結局自分の中でいろいろ決壊して崩壊して離職するまでの時間が早まりました。 

お菓子にまつわるちょいと苦い思い出です。


(お菓子お渡し作戦は、私とトラブルになった人との間ではうまくいかなかったけど、他部署の女性との間では、ちょっと効果を発揮してくれました(私自身にある他部署の女性との垣根をほんのすこし低くしてくれて、私が相手に話しかけるきっかけをつくってくれました)そしてお菓子に罪はない!「ぱりんこ」は、渦中に頂いたお菓子の中の一つですが、大好きです。うんまい!)