つっこみ力

 

つっこみ力 (ちくま新書 645)

つっこみ力 (ちくま新書 645)

 

 

本棚から久々にこの本を引っ張り出して読みました。パオロ・マッツァリーノさんの本です。この本を購入する前からパオロさんの事はパオロさんのサイト「スタンダード 反社会学講座」で存じ上げておりました。社会学って面白いなぁ、ということを教えてくださった方です。この「つっこみ力」の初版は2007年で、今から8年ほど前の本になりますが、書いてある内容は古いとは全く思わなかったので、最近は進んでるようでどっかでとまちゃってるのかもしれんなぁと思いました。(あ、もともと進んでいないっていうのがパオロさんの説でしたね)

毒舌批判っていうのがもてはやされていますが、「私毒舌だからぁ」って自分で言ってしまえる人に感じる「イタさ」っていうのは本書で言われている『批判力が不愉快がられるのは、相手を責めるだけで、自分はつねに無傷でいようとするからです』っていうことなんでしょうね。

久しぶりにこの本を読んで感じたのは、パオロさんの熱さです。文にとても熱意を感じました。熱意の根元にあるのは現状に対する疑問と怒りで、それは「あなたがた、人間がそんなにお嫌いですかね? それでいいんですかね?」といことなんだと思いました。

『タテマエは捨てて、ホンネと向かい合いましょうよ。パンツ脱ぎましょうよ。みなさんだって、論理の正しさに殉じて死ぬ覚悟はないでしょう。にんげんだもの、他人にウケて名声を得たいはずですよ』

という文に一番笑いました。